友達って何だろう。家族って何だろう。

「そんなことしたら、友達じゃなくなる」

元夫にそう言われた瞬間の、あの乾いた呆れと絶望を、今でも鮮明に思い出す。

当時、私たちの知り合いに、医療関係の会社をいくつも経営しているお金持ちの人がいた。誰もが知っているような高級車に乗り、明らかに私たちとは違う世界に生きている人。

あまりの生活の苦しさに、私は藁にもすがる思いで「あの人に、一度相談してみたら?」と提案した。

だけど、返ってきたのはその言葉だった。

「友達」のプライド、「家族」の命

彼にとっては、自分のプライドや「友達関係」を守ることの方が、目の前の生活を立て直すことよりも大切だったのだろうか。

でも、私にとっては、そんな綺麗事を言っていられる状況じゃなかった。

私はご飯も満足に食べられず、なんとか毎日を生き延びている状態。

公園の水を飲み、外のトイレで用を済ませ、限界の中で必死に息をしていた。

「友達より、まず目の前の家族じゃないの?」

その言葉が喉まで出かかったけれど、ぶつける気力さえ残っていなかった。

極限状態で、人はどうなるか

今振り返れば、「もっと必死に説得すればよかった」「話し合えばよかった」と思えなくもない。

けれど、あの時の私には、もうそんなエネルギーは1ミリも残っていなかった。食べることで頭がいっぱいで、心も体も擦り切れ、ギスギスしていた。

あんな極限状態のときに、人は理性を失い、犯罪に手を染めてしまったりするのかもしれない。そう思えるほど、あの時の我が家には、会話が成立しない暗い空気が満ちていた。

「もういいや」

そう思った瞬間の、冷え切った諦め。

あの時の選択が正しかったのかは分からない。けれど、あの極限の苦しさと、守るべきものの優先順位の違いに気づいたあの日は、私の中で今も消えない記憶として残っている。

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